東レの膜技術と水処理装置事業の位置づけ

東レは、「有機合成化学」「高分子化学」「バイオテクノロジー」「ナノテクノロジー」により確立された世界トップレベルの膜技術を有しています。中でも、技術的難易度の高く分離対象物質が一番小さいRO膜(逆浸透)では、海水に含まれるホウ素を効率よく除去できる高ホウ素除去膜や、下廃水再利用用途でも汚れにくい低ファウリング膜等の高性能膜を開発する等、技術水準でもシェアでも世界トップクラスの地位を確立しています。

RO膜に加えてNF膜(ナノろ過膜)、UF膜(限外ろ過膜)、MF膜(精密ろ過膜)の4種類の膜をすべて保有し、これらの膜の組み合わせについての プロセス技術も有しているほか、微生物技術も活用した下廃水処理用のMBR(メンブレンバイオリアクター/膜分離活性汚泥法浸漬膜)も商品化している、幅広い技術と商品ラインアップの豊富さも当社の強みです。これらの活用により、当社は原水とその利用目的に合わせた最適なIntegrated Membrane Systemを提案し、最高のパフォーマンスとコスト競争力を実現しています。

東レの膜製品と水処理装置事業

膜製品概要

RO膜(逆浸透膜)
水中の溶解塩類をはじめ、溶解有機物、微粒子などを安定的かつ効率的に除去し、超純水製造、海水淡水化、廃水再利用など幅広い用途に使用できる水処理用膜です。東レのRO膜は、除去対象物や使用環境によって様々な種類があり、海水中のホウ素を高効率で除去できる高ホウ素除去膜や、廃水再利用において膜表面に微生物が付着しにくいように表面加工した低ファウリング膜などがあります。

UF膜(限外ろ過膜)/MF膜(精密ろ過膜)
水中の浮遊物質、コロイドや細菌などを除去対象とし、主に飲料水や工業用水の製造、廃水処理などの用途に使用されます。また、RO膜処理の負荷を軽減させるために前処理設備としても利用されています。東レのUF/MF膜は、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)を素材とする中空糸膜を採用し、高透水性に加え物理的耐久性と化学的安定性を兼ね備えています。

MBR(メンブレンバイオリアクター/膜分離活性汚泥法浸漬膜)
活性汚泥法と膜分離を組み合わせた処理ができるMBRは、膜で固液分離するため、安定して高度な処理水質が得られ、主に工業廃水及び生活排水などの処理に適用されます。またMBRは、活性汚泥濃度を高めた廃水処理が可能であり、設備の設置面積が少なくてすむ利点があります。東レのMBRは、透水性が高く、閉塞が起こりにくい平膜タイプのエレメントを採用し、素材には物理的・化学的強度に優れたPVDFを使用しています。

弊社水処理装置事業につきましては、弊社グループ会社の 水道機工(株) へ移管しております。

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